斑入り植物のはなし
斑入り植物のはなし
『斑入り植物のはなし』笠原基知治・著
本書は、株式会社サカタノタネ発行の友の会・情報誌『園芸通信』に、1966年3月号〜1967年4月号(全12回)に連載された「斑入り植物のはなし」に加筆・修正し、まとめたものです。
2016.12
2008年1月25日
著者 笠原基知治
発行 斑入り植物友の会
B5判 /108ページ 価格/1,800円(税込)
なぜ、一本の木から違う花が咲くのか
「アサガオの絞りはどうしてできる?
庭のアオキ、葉の黄色い斑点は何?
ギボウシの葉に縁の白いのがあるのはなぜ?」
一世の碩学が語る斑入り植物のしくみと遺伝のはなし。
齋藤慎一郎(作家 牧野植物同好会会員) 談
目次
第1部 キメラ斑
1.ツバキの絞り
2.花の周縁キメラ斑
3.条斑花の色
4.葉の区分キメラ斑
5.葉の周縁キメラ斑
6.双子葉類の第1組織原系条斑
7.周縁キメラ斑に生ずる枝変わり8.茎の周縁キメラ斑
第2部
9.細胞質遺伝斑
第3部
10.模様的条斑
11.病的条斑
12.複合斑その他
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著者 笠原 基知治(かさはら きちじ)
1914年 東京都に生まれる
1961年 北海道大学にて「易変遺伝子の研究」で
理学博士号取得
法政大学教授を経て、牧野植物同好会代表、
日本竹笹の会副会長
2012年 没(97歳)
―口に斑入りと言っても、表現様式や原因の異なるものがいろいろある。表現器官から見れば、葉と花弁とに大別できるが、中には茎が主体になるものもある。色は、葉緑素と花青素系色素の有無によるものが多いが、それ以外に物理的原因に基づくものも珍しくない。また、人々が示す関心の対象も、一種の芸術品として表現の美しさや珍奇さを愛でる人もあろうし、斑入りの原因や表現に至る機構に興味を抱く人もあろう。筆者の場合は、斑入の原因や表現機構に興味をもち、遺伝学や発生学の立場から研究を進めてきた。したがって解説も、斑入の原因別に話を進めていく方が都合がよい。しかし、原因が異なっているのに表現が似ているものとか、発育様式が極端に異なる植物の場合は、むしろ材料別に説明した方が理解しやすい。そこで、取り上げる材料やその扱い方は、折に触れて臨機にきめることにする。